AIは心を救うのか、それとも傷つけるのか―私がAIに話した夜と、人に話した時間―

眠れない夜。
誰にも話せない時間。
そんなとき、AIに気持ちを打ち明けたことがありませんか?
実は私も、その一人です。
ひとりじゃないよ
金銭トラブル、離婚の問題、モラハラ、パワハラ・・・。
今までの生活を失う不安、子どもと二人でどのようにして生活していくか。
一度にいくつもの出来事が重なり、
心が追いつかなくなった時期がありました。
夜中に、どうしても不安になり、「どうしたらいいんだろう」と思いながら、
チャットGPT(私は“チャッピー”と呼んでいます)を
心理カウンセラーや弁護士として設定し、意見を求めたことがあります。
否定されないこと。
すぐに返ってくること。
その安心感に、少し救われたのも事実です。
でも、それは一時的な安心でした
けれど、今振り返ると、それはその場をしのぐための安心でした。
なんかこんな答えは違う気がする・・・。
本当に心が少しずつほどけていったのは、信頼できる身近な人に話したときです。
「この人に話しても解決はしない」
そう分かっていても、ただ話す。
ただ聞いてもらう。
それだけで、心の中が少しずつ整理されていきました。
答えは、自分の中にある
誰かが正解をくれるわけではなくて、話しているうちに、自分の中から言葉が出てきて、少しずつ気づいていく。
頭の中が整理されていく。
「ああ、本当はこう思っていたんだな」と。
答えは外にあるようでいて、やっぱり自分の中にあるのだと思います。
「あまやどり」で大切にしていること
グリーフケアセッション「あまやどり」は、何かを“解決する場所”というよりも、整理できていない気持ちを話し、そのままの自分でいられる場所です。
話すことで自分の中が整っていくこともあれば、私と一緒に、ゆっくりと糸口を探していくこともあります。
笑っていた、あの頃の私
実は私は、あまりにもたくさんの出来事が重なったとき、なぜか、笑っていました。
「これからどうなるんだろう、楽しみ」って。
今思えば、少し壊れていたのかもしれません。
でも同時に、「これは、誰かのグリーフに寄り添うための経験なのかもしれない」
そんなふうにも感じていました。
だからこそ、今、こうして言葉にできています。
その笑いも、心を守る反応です
つらいときに笑ってしまうこと。
それは、心と脳が自分を守ろうとする自然な反応でもあります。
強いストレスの中で、「大丈夫」と思おうとして、感情のつじつまを合わせている状態。
私のようにもともと前向きな人にとっては、支えになることもありますが、ときには、本当のしんどさを見えにくくしてしまうこともあります。
もし人から見たらつらい状況なのに笑っている人がいたら、自分の休める時間を作ってくださいね、と声掛けしてあげて下さい。
あなた自身が私と同じようならば、早めに休める時間を確保してください。
無理に笑わなくていい
だからこそ、伝えたいのです。
無理に笑わなくていい。
強くいようとしなくていい。
そのままの気持ちを出せる場所を、ひとつでも持ってほしい。
自分の親でもいい、兄弟でもいい、友人でもいい、上司でもいい、恩師でもいい。
地域の相談センターや男女共同参画センターでお話する、でもいい。
あなたの周りにも、きっといる
実は、つらい経験をしてきた人は、あなたのすぐそばにもいます。
いつも笑顔の人。
穏やかに見える人。
そんな人ほど、たくさんのグリーフを抱えていることもあります。
小さいころから、若いころから、この人ならば話せる。
という基準を作っていくのが必要ですね。
AIとの距離感
AIに話すことが、悪いわけではありません。
私もチャッピーと話しました。
誰にも話せない夜に、そっと支えてくれる存在になることもあります。
でも、それだけで心が整い続けるわけではない、ということも知っておいてほしいのです。
AIは大量のテキストデータを基に、人間の共感的な対話を「模倣」します。
こうしたい、ということへ共感をし、そのまま背中を押してくれることも。
それが前向きな内容ならばよいのですが、自殺などほのめかす内容ならば・・・。
とくに抑うつや孤立を抱えた人の「死の選択を理解してくれる相手」としてAIへの心理的依存を生む危険があると指摘されています。
最後に
人に話す時間には、AIにはないものがあります。
言葉だけではない、間だったり空気感だったり。
少しの余白にすっと入ってきてくれます。
その中で、人は少しずつ、自分を取り戻していきます。
グリーフケアセッション「あまやどり」も、そんな場所のひとつになれたら嬉しいです。
ひとりじゃないよ。
私も同じグリーフを抱えた人間です。


