「恩返し」ではなく「恩送り(Pay it Forward)

先日、「恩送り(Pay it Forward)」という言葉を知りました。
「恩返し」は聞いたことがありましたが、「恩送り」は初めて知った言葉でした。
恩送りとは、
「受けた恩を、その人に返すのではなく、次に必要としている誰かへ渡していくこと。」
という考え方です。
つまり、
「私に返さなくていいよ。」
「いつか、あなたが誰かを助けられるようになったら、その優しさを次の人へ渡してください。」
そんな優しさの循環を表す言葉です。
例えば、電車で席を譲ってもらったとき、お返しをする代わりに、別の機会や別の人に親切にする、です。
私は特に車の運転が苦手なので、自分が車を車線変更などで入れてもらったときなどに特に感じていて、ほかの人の車が私の前に入ろうとするときは「いつもありがとうございます」の気持ちで譲っています。
それと同じだと思いました。
Pay it Forward
ペイ・フォワード(Pay it forward)とは、自分が受けた親切や善意を、その人ではなく別の誰かに渡してつないでいくことです。
この言葉と意味は2000年に公開された『ペイ・フォワード 可能の王国』から広くひろがったと言われています。
『ペイ・フォワード 可能の王国』は、11歳の少年が思いついた「人から受けた親切を、別の3人に回して善意をつなぐ」というアイデアが、周囲の人々や社会を変えていく感動のヒューマンドラマ映画です。
まだ観たことないので、観てみようと思っています。
そして、この言葉を知ったとき、「あぁ、私がやりたかったことはこれだったんだ。」と、心の中で何かがつながった気がしました。
私が流産を経験したときのことです。
当時住んでいた島で、私を支えてくださいました。
自分の小さな命とのお別れのお話をしてくださった方。
何気ない言葉をかけてくださった方。
ただ静かに話を聞いてくださった方。
そっと寄り添ってくださった方。
あの頃の私は、その優しさにどれほど救われたことでしょう。
でも、そのご恩をわざわざ島へ行って、今さら一人ひとりに返すことはできません。
だから私は思いました。
「今度は私が、誰かを支える側になろう。」
その想いから生まれたのが、
今住んでいる福岡県内でおこなっている
流産や死産で悲しい経験をした方やその家族と語り合う機会と場を提供している「花はすお話会」です。
今、活動を続ける中で、
近くの方だけでなく、遠方の方へも対応したい気持ちがでてきました。
よって、1対1の対応は「あまやどり」という形で仕事にしていこうと決意しました。
「悲しみを仕事にしていいのだろうか。」
そんな迷いを感じることもあります。
けれど、活動を続けるためには、自分や息子の生活も守らなければなりません。
だから私は、きちんと対価をいただきながら、この活動を長く続けていきたいと思っています。
それは、悲しみからお金をいただくためではありません。
優しさを届け続けるための土台をつくるためです。
昔から私は絵を描いてきました。
産後に個展をしましたが、その時と想いが違うのがわかります。
今の想いは
その絵を見た方の心に、小さな花が咲きますように。
私はあなたに花を咲かせることだけが目的ではありません。
その花が種になり、また別の場所で咲くこと。
つまり、
「花を咲かせる人」を増やすこと。
をのぞんでいます。
また、これから作成していく私の作品を通して生まれた収益が、また誰かを支える活動へとつながっていく。
そんな循環をつくっていきたいと思っています。
もし、私から何かを受け取ることがあったとしても、私に恩返しをする必要はありません。
その代わり、
あなたが元気になったとき。
誰かを思いやる余裕ができたとき。
どうか、その優しさを、次に必要としている誰かへ渡してください。
その優しさが巡り巡って、また誰かの希望になりますように。
私が目指しているのは、
「優しさが循環する社会」です。
映画のように、1人が3人へ優しさのバトンを渡し、どんどん広がってほしいです。
あなたの心に花を咲かせます。
その花が、また誰かの心に花を咲かせていく。
そんな優しさの循環が、未来へつながっていきますように。

